定期接種
ロタウイルスワクチン(ロタリックス)
1回目は生後6〜14週、2回目は生後10〜24週までに接種完了が必要です(これを過ぎると接種できません)。
肺炎球菌ワクチン
年齢により接種回数が異なります。
2〜6ヶ月は4週以上の間隔で3回、3回目から60日以上の間隔をあけて生後12-15ヶ月に1回(計4回)。
7ヶ月〜1歳未満では4週以上の間隔で2回、さらに2回目から60日以上あけて1歳代に3回目。
1歳以上2歳未満は60日以上の間隔で2回。
2-5歳では1回のみ。
B型肝炎ワクチン
公費は0歳児のみ(2ヶ月〜)。
4週間隔で2回、その20〜24週後に1回の3回接種が必要です(効果は10〜20年とされます)。
四/五種混合、ポリオワクチン
生後2ヶ月から7歳半まで。
1期3回(3-8週間隔)、追加1回(おおむね3回目から1年後)の計4回。
BCG
生後3ヶ月から1歳未満に1回(1歳を過ぎると自費となります)。
※年齢が高い(1歳以上)場合はツベルクリン反応を行った後にBCGを行うことが望ましい(コッホ現象という強い局所反応が起こるため)。
麻疹風疹ワクチン(MR)
1期:1-2歳(1歳の誕生日がきたら出来るだけ早期に)
2期:幼稚園年長組
水痘(水ぼうそう)ワクチン
1歳以上3歳未満に2回接種(3-6ヶ月間隔)。
※水痘の患者と接触後72時間以内に緊急接種をすると発症を防げる場合があります。
日本脳炎ワクチン
1期は生後6ヶ月から7歳半まで。
1期2回(1-4週間隔)、1期追加1回(2回目から1年後)、2期は9-12歳。
日本脳炎予防接種は一時中断された経緯があり、生年月日がH7.4.2〜 H19.4.1 の児は救済措置があります。このため接種を希望される親御様は福祉保健センター健康づくり係で予診票交付を受けて下さい。
二種混合ワクチン(DT)
小学6年生(11〜12歳)。
子宮頸がんワクチン(4価、9価)
小学6年〜高校1年までに3回の接種を終了する。
自費接種
ムンプス(おたふくかぜ)ワクチン
A型肝炎
インフルエンザウイルスワクチン(ヒブワクチンとは異なるものです)
経口生ワクチンで、4週間以上の間隔をあけなければ次のワクチンを接種できません(1回目は生後6〜14週まで、2回目は生後10〜24週までに接種完了が必須)。一番流行・重症化しやすい1種類のロタウイルスを弱毒化したワクチン(ロタリックス:2回接種)と、流行しやすい5種類のロタウイルスを遺伝子組み換え・弱毒化したワクチン(ロタテック:3回接種)がありますが、ロタリックスは他型のロタウイルス予防にも有効で(交叉免疫性)、2種類のワクチン効果には遜色がないことから当院ではロタリックスを採用しています(ロタリックスは2回の接種で完了するのに対し、ロタテックは3回の接種が必要)。これらのワクチンは、ロタウイルスによる嘔吐下痢症や脱水を軽症化し、点滴・入院が必要な重症例を90%以上減らします。ロタウイルス感染は脱水補正以外に根本的な治療はなく、また国内の小児急性脳症の誘因の第3位(約38%に後遺症あり)となっており、予防が何よりの対処法と思われます。
<副反応>
・国内臨床試験:ぐずり(7.3%)、下痢(3.5%)、咳・鼻水(3.3%)など。
・海外臨床試験:ぐずり、下痢、(1〜10%未満)、お腹の膨れ、腹痛、皮膚炎(0.1〜1%未満)
※注1.海外の市販後調査で、初回接種から31日間(殆どは初回接種から7日間)は腸重積リスク増加の可能性があります。ただしこのリスクより接種メリットが遥かに高いことから、注意喚起のみとなっています。それでも接種後は健康状態に十分注意し、“ぐったりする、顔色不良、繰り返す嘔吐、血便、お腹の張り”など腸重積を疑わせる症状がある際は速やかに医師の診察を受けて下さい(もともと4ヶ月以降は腸重積の好発年齢で、ワクチン接種はこれ以前が好ましいとされています)。
B型肝炎ウイルス(HBV)感染には一過性感染と、生涯肝臓にウイルスが住み着いてしまう持続感染があります。出生児の垂直感染(母子感染)や乳幼児期の感染では高い確率で持続感染となり(1歳未満で 90%以上、1〜4歳は 20〜50%、それ以上の年齢は10%以下)、これが慢性肝炎、肝硬変や肝細胞癌を発症のもとになります。つまりHBVは発癌性のある腫瘍ウイルスで、HBV感染予防は肝細胞癌を予防することになります。
日本肝臓学会編:慢性肝炎の治療ガイド 2008.東京,文光堂,2007
これまで日本ではB型肝炎母子感染予防事業が行われてきましたが、それでもまだ年間6000人以上の新規感染者があり、今後はお母様以外からの感染予防も視野に入れた対策が求められています。国内のHBV持続感染者は130〜150万人と推計され、これは実に100人に1人がHBVキャリア(感染しているが未発症)ということです。本人が気付かないうちに感染していたり、保育所や運動部の集団感染事例も散見され(噛みつきや口移しの食事、傷口からの出血などを介した感染?)、HBV キャリア小児が保育所通園を断られる事態も発生しています。乳児にB型肝炎ワクチン接種を行うと95%以上の児で免疫が得られ、10〜20 年の感染防止効果、高い安全性が確認されています(大人はB型肝炎ワクチンを3回接種しても3割程度は免疫がつきません)。WHOは全ての小児へのB型肝炎ワクチン接種を勧告しており、世界的には179か国(2010年)が小児全員にHBワクチンを投与しています(これに対し未接種児の75%はインド ナイジェリア 中国 インドネシア 日本 エチオピア 英国・北部アイルランド パキスタン ニジェール フランスに集中しています。)。
以下の項目に該当する児は、感染のリスクとなりますので是非ワクチン接種を受けて下さい(該当しなくても接種をお勧めします)。
<接種スケジュール>
接種は4週間隔で2回、その後20〜24週経ってから1回の合計3回です。十分な免疫獲得には3回の接種が必須で、ワクチンの効果は10〜20年前後とされています。
<副反応>
承認時及び市販後使用成績調査時で9.9%に副反応が認められた(総例数4,721例)とされますが、軽微なものが多く、B型肝炎ワクチンは他ワクチンに比べて安全性が高いとされます。
1.重大な副反応(ごく稀)
1).ショック、アナフィラキシー様症状:ショック、アナフィラキシー様症状が現れることがある。
2).多発性硬化症、急性散在性脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群
2.その他の副反応(他のワクチンと同頻度かそれ以下)
1)湿疹、そう痒、蕁麻疹、発熱、発疹(0.1〜5%未満)
2)注射部位の疼痛、腫脹、硬結、発赤、そう痒感、熱感(0.1〜5%未満)
3)関節痛、筋肉痛、肩こり、背部痛、(0.1〜5%未満)
4)肝機能障害(頻度不明)
5)嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、食欲不振(0.1〜5%未満)
6)眠気、眩暈頭痛(0.1〜5%未満)
7).その他:悪寒、倦怠感、違和感(0.1〜5%未満)
百日咳は乳幼児が罹患した場合、無呼吸による急変の可能性があり、早期の予防が何より重要とされています。これに対して成人の百日咳は症状が軽いことがほとんどですが、年長者の百日咳が乳幼児への主な感染源として注目され、また近年は成人の百日咳例が急増していることから、海外では学童〜成人にも予防接種を行うことが推奨されています。ジフテリアは1999年の報告を最後に国内発症例はなく、破傷風患者も年間100名程度ですが、発症後に急速に悪化し死亡に至るケースがあることから積極的な予防対策が重要と思われます。
<接種スケジュール>
1. 初回免疫は生後2〜90ヶ月(通常は2〜12ヶ月)に開始し、3〜8週以上の間隔で3回接種する。
追加接種は初回接種終了後のおおむね1年後に行います(計4回)。
2. 2期予防接種(DT;ジフテリア、破傷風のみ)を11〜12歳で1回
<副反応>
副反応は注射部位の発赤、腫脹、硬結(しこり)などの局所反応が主です。
頻度は接種回数と共に増加し、初回接種後は約2割、3回接種後では4〜5割の人にみられます。
これらは一見多いように思われますが免疫がついている証拠でもあり、数日で消退するものがほとんどです(硬結は数カ月残ることがあります)。
通常高熱は出ませんが、24時間以内に37.5度以上になるお子様が3〜4%あります。
MRワクチンは麻疹・風疹のワクチンが混合されたもので、一生のうちに2回接種するのが世界標準となっています。このため平成18年度からは1-2歳児(1期)と幼稚園年長児(2期)に接種が行われています。これを受けそびれた方達は自費での接種となります。
さらに予防接種を受けずに麻疹・風疹患者と接触した際には、以下の対応法がありますが、何れの処置も完全ではありません。
感染源に暴露後72時間以内であれば、予防効果が期待できますが、100%ではありません。また副作用に対する認識が必要な事と、あくまでも「任意接種」であるため、健康被害が発生しても予防接種法の対象にはならず、補償は「医薬品医療機器総合機構法による副作用救済給付」として処理されることになり、定期接種に比べて保障に差がみられます。
暴露から4〜6日以内であれば予防効果があるとされます。しかしこれも100%ではなく、またガンマグロブリンが血液製剤である事からアレルギー (アナフィラキシ-)や感染のリスクは免れません。
<MR混合ワクチンの副反応>
接種後4-14日中に過敏症状と考えられる発熱(20-30%)、発疹(約10%)、かゆみなどがでることがありますが、1-3日でなおる事が多いです。
またこれまでの麻疹・風疹単独ワクチンの副反応データから、アナフィラキシー、血小板減少性紫斑病、脳炎、けいれんなどの副反応が生じる可能性があります。
(2007予防接種ガイドライン3月改訂版より抜粋)
日本脳炎とは、日本脳炎ウイルスをもったブタを吸血した蚊に刺されることによって感染する急性脳炎で、発病患者の約1/3は死亡し、 約1/3は回復しても精神神経障害を伴う後遺症を残し、完治するのは約1/3にすぎないといわれています。
日本では1992年以降は日本脳炎の患者が毎年10人以下と、とても少なくなっています。
<日本脳炎ワクチンの目的と必要性>
などの理由で行われてきました。
<効果>
<日本脳炎ワクチンの副反応>
※急性散在性脳脊髄炎(ADEM)という重い神経症状が1/100万の割合で起きることがあります(新しいワクチンについてはまだ明らかでありません)
<厚生労働省の勧告>
・1期で1回も受けていない人→1期分として3回、2期として1回、合計4回接種できます
・1期で1回受けた人→1期分として2回、2期として1回、合計3回接種できます。
・1期で2回受けた人→1期分として1回、2期として1回、合計2回接種できます。
今年2014年のA型肝炎(HAV)患者報告数は、4月の時点で過去3年の年間患者数を超えています。原因は海産物の生食(特に牡蠣)・海外渡航に伴うものが多く、年齢が上がるほど重症度も上昇し、まれに劇症化して死亡することがあります。患者糞便中のHAVが直接あるいは飲食物を介して感染・発症するため、不顕性感染(症状のない感染)が多い乳幼児では無症状のまま集団発生の感染源になることがあります。国内のHAV抗体保有率は60歳以上で70%以上ですが、60〜40歳にかけて急激に減少し40歳以下はほぼ0%です。このためHAVへの免疫を持たない人はA型肝炎予防を心がける必要があります。世界的なHAVの侵淫地域は東南アジア・アフリカ・中南米等ですが、たとえ先進国への渡航でも衛生状態が悪い地域であれば短期間の滞在でも接種が推奨されます。
国産A型肝炎ワクチン(エイムゲン)は不活化ワクチンで、1回接種では効果はあまり期待できません。2〜4週間後に2回目の接種を受ける事で半年から1年、さらに6ヶ月〜1年後に3回目の追加接種で約5〜8年間は有効とされています。出発までの時間が少ないときは2週間隔で2回の接種を行い4週目以降に現地入りすることが勧められます。ただし出発して1年以内に必ず3回目の追加接種を受けて下さい。
<副反応>
1〜5%:局所の疼痛・発赤・掻痒・腫脹・硬結・圧痛。発熱、倦怠感、頭痛、 頭重感、下痢、熱感、筋肉痛。
0.1%未満:蕁麻疹
*海外HAVワクチンでアナフィラキシーの報告あり(エイムゲンでも可能性あり)
*わが国において303名の16歳未満の小児を対象としたA型肝炎ワクチンの小児への適応拡大のための臨床試験が行われ、2回接種後にワクチン接種者(262名)の100%が抗体陽性となり、かつ追加免疫効果(3回目の接種で抗体が増加)が認められました。総接種数678名中12名(1.8%)で、発熱、頭痛、倦怠感、注射部位発赤の副反応が見られましたが、重篤なものはありませんでした。この結果からは、A型肝炎ワクチンは小児に対しても安全かつ有効なワクチンと考えます。
小児に対するインフルエンザワクチンは、インフルエンザ罹患率の低下、重症化の防止に有効との報道によりその接種率が上昇してきていますが、実際の有効性は20-70%(ワクチン作成はあくまでその年に流行するウイルス型を予測して行うため、この型により有効性が異なる)とされ、中にはこれを否定するものもあります。
また重症化の防止効果については、まだ明らかな科学的根拠がありません。
このため小児では定期接種ではなく、任意接種となっています(これに対して、65歳以上の老人は定期接種の対象とされます)。
そこで、その利点(予防効果)と共に欠点についても十分に御承知おき下さい。
インフルエンザワクチンの副反応
接種部位の発赤・腫脹、発熱(10-20%)などがあります。また稀に、ワクチンに対するアレルギー反応で発疹、じんましん、ショックが見られることがあり、これらは卵や鶏肉に対してアレルギーを持つ方に多いようです。
*その他にギランバレー症候群(GBS)、急性脳症、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、けいれん、肝機能障害、喘息発作、紫斑などの報告がありますが、これらの疾患とワクチンとの関連についてはまだ明らかになっていません。
またインフルエンザワクチン接種後に救済対象と認定された死亡事故は約2,500万接種あたり1件でした。
平日(木曜除く)
08:30〜11:30
15:00〜17:30
土曜
08:30〜11:30
乳幼児健診・予防接種のご予約は